転職で年収を比べるときの見方:額面と手取りの差
- 更新
- 公開
- 2026年10月26日
- 書いた人
- 合同会社HSコンサルティング

先に結論
- 求人票の年収は額面(引かれる前の額)です。実際に受け取るのは、社会保険料と税を引いた手取りです。
- 会社員の給与から引かれる主なものは、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税です。40〜64歳の人は介護保険料も引かれます。
- 額面が同じでも、住む都道府県・年齢・賞与の割合で、手取りは少し変わります。
- 転職の1年目は、住民税が前の年の所得で決まるため、手取りが思ったより少なく見えることがあります。
この記事は、転職先の年収と今の年収を比べるときに、どこを見ればよいかを説明します。年収が上がるか下がるかは人によって違います。厚生労働省の調べ(令和7年)では、転職した人のうち、前の仕事より賃金が「増加」した人は40.8%、「減少」した人は31.0%でした。
引かれるものと料率(2026年度)
| 引かれるもの | 料率(2026年10月時点) | 本人の負担 |
|---|---|---|
| 厚生年金保険料 | 18.3%(2017年9月から固定) | 事業主と半分ずつ(9.15%) |
| 健康保険料(協会けんぽ) | 東京都 9.85%、神奈川県 9.92%、大阪府 10.13% | 事業主と半分ずつ |
| 介護保険料(40〜64歳) | 1.62%(全国一律) | 事業主と半分ずつ(健康保険料に加えて納める) |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23%(全国一律・2026年4月分から) | 事業主と半分ずつ |
| 雇用保険料(一般の事業) | 労働者の負担 5/1000(2026年4月から) | 0.5% |
| 所得税 | 課税される所得に応じて 5%〜45%(7段階)。ほかに復興特別所得税(所得税額の2.1%) | 全額本人 |
| 住民税 | 所得割 10%(道府県民税 4%・市町村民税 6%)+均等割。前の年の所得で決まる | 全額本人 |
- 健康保険の料率は、会社が入っている健康保険組合によって違います。協会けんぽ以外の会社では、その組合の料率を確かめてください。
- 健康保険料と厚生年金保険料は、実際の給与ではなく「標準報酬月額」という区切りの額で計算します。たとえば報酬月額が37万円以上39.5万円未満なら38万円、39.5万円以上42.5万円未満なら41万円です(協会けんぽの令和8年度の額表)。
- 所得税の基礎控除は、所得の額によって段階があり、令和8年分は改正があります。くわしくは国税庁のページ(No.1199)で確かめてください。
計算の例(社会保険料だけ)
月の給与を38万円(標準報酬月額も38万円)とします。東京都・39歳以下・協会けんぽの場合です。
| 項目 | 計算 | 1か月の額(目安) |
|---|---|---|
| 厚生年金保険料 | 38万円 × 9.15% | 34,770円 |
| 健康保険料 | 38万円 × 9.85% ÷ 2 | 18,715円 |
| 子ども・子育て支援金 | 38万円 × 0.23% ÷ 2 | 437円 |
| 雇用保険料 | 38万円 × 0.5% | 1,900円 |
| 合計 | 55,822円 |
この例では、社会保険料だけで月の給与の約15%が引かれます。ここから、さらに所得税と住民税が引かれます。
比べるときに確かめる項目
- 年収の内訳:月の給与と賞与の割合。賞与が多い年収は、賞与が減ると手取りも大きく減ります。
- 固定残業代:年収に残業代が含まれているか。厚生労働省の指針では、固定残業代を採用する会社は、募集のときに「固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法など」を示すこととされています。何時間分で、いくらかを確かめます。読み方は求人票の読み方:固定残業代・年収の内訳にまとめています。
- 歩合給の部分:営業職では、年収の一部が成果で変わることがあります。歩合給のある営業の給料の見方 の記事を見てください。
- 手当と福利厚生:住宅手当・退職金・企業年金の有無。額面に出ないお金の差です。
- 住む場所:健康保険の料率は都道府県で違います(上の表)。
自分の数字で計算する
年収から手取りの目安を出す計算で、今の年収と転職先の年収を入れて、社会保険料と税、手取りの目安を並べて見られます。入れた数字はブラウザの中だけで計算し、どこにも送りません。結果は目安です。
出典(確かめた日:2026-10-26・一部は 2026-10-29)
- 厚生労働省「厚生年金保険料率の引上げが終了します」
- 日本年金機構「保険料額表(平成27年9月分~)」
- 協会けんぽ「令和8年度 都道府県単位保険料率」
- 協会けんぽ「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」(東京都)
- 協会けんぽ「費用の負担」(保険料は事業主と被保険者が折半)
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」(令和8年3月)
- 山形労働局「令和8年度の雇用保険料率について」(一般の事業の労働者負担 5/1,000。令和8年4月1日〜令和9年3月31日)(確かめた日:2026-10-29)
- 国税庁 タックスアンサー No.2260「所得税の税率」
- 国税庁 タックスアンサー No.1199「基礎控除」
- 国税庁 タックスアンサー(番号1410)「給与所得控除」
- 総務省「個人住民税」
- 厚生労働省「若者の募集・採用等に関する指針 ご対応いただきたい5つのポイント」
- 厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」
最終確認の日:2026-10-26(雇用保険料率の出典は 2026-10-29)
書いた人
合同会社HSコンサルティング
営業の仕事をしている人の転職と退職の手続き、お金の見方を、国や公式の資料で確かめてまとめています
この記事の下書きと事実の確かめに AI を使い、出典の公式ページと突き合わせています。公開するかどうかは当社が判断しています。


