内定のあとに確かめる労働条件の書面の項目
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先に結論
- 労働基準法第15条では、会社は労働契約を結ぶときに、賃金・労働時間などの労働条件を示すことになっています。そのうち決められた項目は、書面を渡して示す決まりです。
- 書面で示す項目は、契約の期間、更新の基準(期間の定めがある契約)、働く場所と仕事の中身、働く時間・休み、賃金、退職です。2024年4月からは、働く場所と仕事の中身の変更の範囲も加わりました。
- メールなどで受け取れるのは、働く人が希望した場合で、印刷して書面にできる形に限られます。
- 示された労働条件が事実と違う場合、働く人はすぐに労働契約を解除できると、労働基準法第15条第2項に書かれています。
- 求人票と違う条件になったときは、会社が変わった中身を示すことになっています(職業安定法の決まり)。
この記事は、内定のあと、入社の前に受け取る労働条件の書面(労働条件通知書など)で、どの項目を確かめるかをまとめます。今の会社に退職を伝える前に確かめておくと、あとで迷いにくくなります。
書面で示される項目と確かめるところ
厚生労働省のパンフレット(2024年9月)と静岡労働局の案内をもとに、書面で示される項目と、求人票と並べて確かめるところを表にしました。
| 書面で示される項目 | 確かめるところ | 求人票と並べて見る点 |
|---|---|---|
| 労働契約の期間 | 期間の定めがあるか。あれば何年何月までか | 正社員の求人だったのに期間が書かれていないか |
| 期間の定めのある契約を更新する場合の基準 | 更新するかどうかの決め方。更新の上限(回数・通算の期間)があるか | 求人票の「契約期間」の欄 |
| 働く場所と仕事の中身(変更の範囲を含む) | 入ってすぐの場所と仕事、将来変わりうる範囲 | 転勤の有無、営業以外の仕事に変わる見込み |
| 始業・終業の時刻、所定の時間を超える労働の有無、休憩、休日、休暇、交替制 | 残業があるか。休日の数と曜日 | 求人票の「就業時間」「休日」の欄 |
| 賃金の決め方・計算と支払いの方法・締め日と支払日 | 基本給・手当・固定残業代の内訳。歩合の計算のしかた | 求人票の賃金の欄と同じ内訳か |
| 退職に関すること | 退職を申し出る時期の決まりなど | ― |
- 昇給に関することも示す項目ですが、書面でなくてもよいとされています。
- 次の項目は、会社に決まりがある場合に示す項目です:退職手当、臨時に支払われる賃金・賞与など、働く人が負担する食費・作業用品など、安全と衛生、職業訓練、災害補償など、表彰と制裁、休職。
- 書面の様式は自由です。厚生労働省は「モデル労働条件通知書」を出しています。
賃金の欄の読み方は、求人票の読み方:固定残業代・年収の内訳にまとめています。歩合給がある場合は、歩合給のある営業の給料の見方も見てください。
2024年4月から加わった項目
厚生労働省のリーフレットでは、2024年4月から、労働契約を結ぶとき・更新するときに示す項目に、次が加わったとされています。
| 加わった項目 | 対象 |
|---|---|
| 就業場所・業務の変更の範囲 | すべての労働契約を結ぶときと、期間の定めのある契約を更新するとき |
| 更新上限(通算の契約期間または更新回数の上限)の有無と内容 | 期間の定めのある契約を結ぶとき・更新するとき |
| 無期転換を申し込める機会 | 無期転換を申し込む権利が生じる契約を更新するとき |
| 無期転換のあとの労働条件 | 同上 |
メールで受け取るとき
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署のリーフレット(2019年2月)では、次のように説明しています。
- 働く人が希望した場合は、FAX・電子メール・SNS などでも労働条件を示せる。
- その場合は、出力して書面を作れるものに限られる。
- メール・SNS で示すときは、印刷や保存がしやすいように添付ファイルで送ることが勧められている。
メールで受け取ったら、印刷するか、ファイルを保存しておきます。SNS には、保存の期間に限りがあるサービスもあると、同じリーフレットに書かれています。
求人票と条件が違うとき
厚生労働省・都道府県労働局の求職者向けの資料「求人票・募集要項等のチェックポイント」では、求人票などで示した条件と違う条件で契約を結ぶ場合、会社は変わった中身を示すこととされています。資料に挙がっている変わり方の例は次の4つです。
- 示していた条件と違う条件にする(例:基本給30万円 → 28万円)
- 示していた幅の中で条件を決める(例:基本給25〜30万円 → 28万円)
- 示していた条件を外す(例:営業手当3万円をなくす)
- 示していなかった条件を加える(例:営業手当3万円を加える)
示し方は、もとの求人票と変わったあとの中身を見比べられる書面を渡すことが望ましいとされ、変わった所に下線を引く・色を付ける・注記する方法も挙げられています。変わった理由を聞かれたときは、会社はきちんと答えることとされています。
違いに気づいたら、書面をもらった時点で、会社の担当者に理由を聞いておきます。転職エージェントを通している場合は、担当者に確かめてもらうこともできます(転職エージェントの面談の準備)。
退職を伝えるのは書面を確かめてから
書面で条件を確かめたあとに、今の会社に退職を伝える順番にすると、条件の食い違いがあっても選び直す余地が残ります。退職の手続きの順番は、退職の手続きの順番にまとめています。
疑問が残るときは、都道府県の労働局や労働基準監督署に相談できます。個別の契約の判断は、社会保険労務士や弁護士に確かめてください。
出典(確かめた日:2026-10-29)
- e-Gov 法令検索「労働基準法」(第15条)
- e-Gov 法令検索「労働基準法施行規則」(第5条)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」学習の参考になる労働基準法等の条文一覧(労働基準法第15条第1項・第2項)
- 厚生労働省 パンフレット「2024年4月からの労働条件明示のルール変更 備えは大丈夫ですか?」(2024年9月)
- 厚生労働省 リーフレット「2024年4月から労働契約の締結・更新のタイミングの労働条件明示事項が追加されます」
- 厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」(モデル労働条件通知書の案内がある)
- 厚生労働省「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令」(令和5年3月30日公布・令和6年4月1日施行)
- 静岡労働局「労働条件は書面を交付し明示しましょう」
- 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「平成31年4月から、労働条件の明示がFAX・メール・SNS等でもできるようになります」(2019年2月)
- 厚生労働省・都道府県労働局「求職者の皆様へ ~ 求人票・募集要項等のチェックポイント ~」(2018年1月1日施行の職業安定法の改正のとき)
最終確認の日:2026-10-29
書いた人
合同会社HSコンサルティング
営業の仕事をしている人の転職と退職の手続き、お金の見方を、国や公式の資料で確かめてまとめています
この記事の下書きと事実の確かめに AI を使い、出典の公式ページと突き合わせています。公開するかどうかは当社が判断しています。


