求人票の読み方:固定残業代・年収の内訳
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先に結論
- ハローワークの資料では、基本給+定額的に支払われる手当+固定残業代の合計が、毎月決まって支払われる額とされています。ここに通勤手当や残業代を足し、税と保険料を引いた額が手取りです。
- 固定残業代を賃金に含める求人では、厚生労働省は、①固定残業代を除いた基本給の額、②固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法、③固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨、の3つを示すよう求めています。
- 固定残業時間を超えて残業をした分は、別に残業代が支払われるしくみです。
- 求人票の年収は、月の給与・賞与・歩合の部分などの合計です。内訳を分けて見ると、今の仕事と比べやすくなります。
この記事は、求人票の賃金の欄を読むときに、基本給・手当・固定残業代をどう読み分けるかを説明します。今の仕事の給与明細と並べて見ると、違いがつかみやすくなります。
賃金の欄の読み分け
ハローワークの求職者向けの資料(就職を希望する生徒の皆さま向け)では、求人票の賃金を次のように説明しています。
| 求人票の言葉 | 中身 | 読むときに見るところ |
|---|---|---|
| 基本給(a) | 毎月の給与のもとになる額 | 固定残業代を除いた額になっているか |
| 定額的に支払われる手当(b) | 毎月決まって支払われる手当 | 手当の名前と、それぞれの額 |
| 固定残業代(c) | 想定した残業時間の分の割増賃金を、定額で支払うもの | 何時間分で、いくらか。超えた分の扱い |
| (a)+(b)+(c) | 毎月決まって支払われる額 | ここから税と保険料が引かれる |
| 通勤手当 | 実費ではなく、上限がある場合がある | 上限の額 |
同じ資料では、固定残業代がある求人は「固定残業代に関する特記事項」を確かめるよう書かれています。
固定残業代で示す3つの項目
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの資料では、固定残業代を賃金に含める場合に示す項目と、書き方の例を次のように挙げています(根拠は若者雇用促進法に基づく指針)。
| 項目 | 書き方の例(資料の例) |
|---|---|
| ① 固定残業代を除いた基本給の額 | 基本給(××円)(②の手当を除く額) |
| ② 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法 | □□手当(時間外労働の有無にかかわらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給) |
| ③ 固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨 | ○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給 |
- 「□□」には固定残業代に当たる手当の名前が入ります。名前が「営業手当」などでも、中身が固定残業代なら、この3つを見ます。
- 「□□手当」に固定残業代でない手当が混ざっている場合は、固定残業代の分を分けて書くこととされています。
- 3つのどれかが求人票で読み取れないときは、応募の前か面接のときに確かめておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。
割増賃金の率
静岡労働局の資料では、割増賃金の率を次のように示しています。
| 働いた時間 | 割増賃金の率 |
|---|---|
| 時間外労働(月60時間以下) | 25% |
| 時間外労働(月60時間超) | 50% |
| 法定休日の労働 | 35% |
| 深夜の労働 | 25% |
月60時間を超える時間外労働の率(50%)は、中小企業では2023年4月1日から働いた時間が対象になっています。
固定残業代の目安を自分で計算する(例)
次は、架空の求人で、固定残業代が何時間分の残業代に当たるかの目安を出す例です。
- 基本給 25万円、固定残業手当 4万円(20時間分)
- 1か月の平均の所定労働時間を 160時間 と仮に置く(実際の時間は会社ごとに違います)
| 計算 | 式 | 結果(目安) |
|---|---|---|
| 1時間あたりの賃金 | 25万円 ÷ 160時間 | 1,562.5円 |
| 時間外の1時間あたり(25%増し) | 1,562.5円 × 1.25 | 1,953.125円 |
| 20時間分 | 1,953.125円 × 20時間 | 約3万9,063円 |
この例では、固定残業手当の4万円は、20時間分の時間外労働の残業代の目安(約3万9,063円)と同じくらいの額です。
- 割増賃金の計算のもとになる賃金には入れない手当が、法律で決められています。家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金です(労働基準法施行規則第21条)。この例は基本給だけをもとにした目安です。自分の手当の扱いは、会社の担当者に確かめてください。
- 計算が合わないと思ったときは、会社の担当者に計算のしかたを聞くか、労働基準監督署に相談できます。
年収の内訳を分けて見る
求人票の年収は、いくつかの部分の合計です。次の形に分けて書き出すと、今の仕事と比べやすくなります。
| 部分 | 見るところ | 関係する記事 |
|---|---|---|
| 月の給与(a+b+c)× 12 | 固定残業代が入っているか | この記事 |
| 賞与 | 年に何回・何か月分か。前の年の実績か、見込みか | ― |
| 歩合の部分 | 成果で変わる部分の幅(少ない年・多い年) | 歩合給のある営業の給料の見方 |
| そのほかの手当 | 住宅手当・家族手当など、人によって出るかが違うもの | ― |
- 額面の年収が同じでも、手取りは社会保険料と税で変わります。転職で年収を比べるときの見方と、年収から手取りの目安を出す計算で、今の仕事と次の仕事の手取りの目安を並べて見られます。
2024年4月から求人票に増えた項目
山口労働局の案内では、2024年4月1日の職業安定法施行規則の改正で、求人票に示す労働条件に次の3つが加わったとされています。
- 従事すべき業務の変更の範囲
- 就業場所の変更の範囲
- 有期労働契約を更新する場合の基準
「変更の範囲」は、入ってすぐの仕事や場所だけでなく、将来の配置の転換など、契約の期間の中で変わる見込みも含むものとされています。転勤のある営業の仕事かどうかを読むときの手がかりになります。
求人票の条件と、内定のあとに示される条件が違うこともあります。そのときの確かめ方は、内定のあとに確かめる労働条件の書面の項目にまとめています。
出典(確かめた日:2026-10-29)
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代」を賃金に含める場合の表示についての資料(LL040930開若04)(発行の日の表示はない)
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク 固定残業代の表示についての資料(鹿児島労働局の掲載)(発行の日の表示はない)
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「就職希望の生徒の皆さまへ」(求人票の見方。東京のハローワークの掲載)(発行の日の表示はない。中の賃金の早見表は令和8年4月1日現在と表示)
- e-Gov 法令検索「労働基準法施行規則」(第21条)
- 静岡労働局「中小企業の事業主の皆さまへ 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」(令和4年10月27日の報道発表の別添)
- 山口労働局「求人票に明示する労働条件が新たに3点追加されました」
- 山口労働局・ハローワーク 求人票への労働条件の明示についての資料
- 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
最終確認の日:2026-10-29
書いた人
合同会社HSコンサルティング
営業の仕事をしている人の転職と退職の手続き、お金の見方を、国や公式の資料で確かめてまとめています
この記事の下書きと事実の確かめに AI を使い、出典の公式ページと突き合わせています。公開するかどうかは当社が判断しています。


